TCVV宣言

The TCVV Manifesto


           声優はVisualに出るな!宣言 Ver1.10

                        声優はVisualに出るな会議 決議第00000号

 声優は映画俳優・舞台俳優に比べ声だけで勝負をするという過酷な生業である。
映画・舞台俳優は身振り手振りが付加されるので視覚に訴えることが効く。
が、声優はそうは行かない。だからこそ高度な演技力が必要とされるのではないだろうか。
現在、第四次声優ブームと言われているそうだが、何か違和感を感じずにはいられない。
最近の「声優」と呼ばれる人々はVISUAL、その他のメディアに頼りすぎ・出過ぎではな
いだろうか?
今やマーケティングでメディアを十分に活用すれば、そこら辺のお姉ちゃんでさえもCD
をあっとい間に売ってしまう。この状況を「沈黙のミリオンセラー」とは良く言った
ものである。(大部分の人はその曲を知らないが100万枚以上売ったレコード・CD
のこと。一昔前は100万枚といったら大部分の人がその曲を知っていた。)
「声優」自体が今やメディア戦略によって商品になってしまったと思う。
この戦略は聴衆を気がつかない間に購買者に変えてしまう巧みなシステムだと考える。
しかし、このシステムは本来の価値。つまり「声のプロフェッショナル」としての声優
の価値を正当に評価していないものであると言える。

 舞台俳優の中には決してVISUALに耐えられる人ばかりではない。
が、そのような人が舞台に立てるのは、人を引き付ける演技力を持っているためである
と考える。
その一方、声優の質は低下している。これは最近のアニメーションは高度な演技力を
必要としないものが多くなっているからといえよう。そうなれば声優の質が低下するの
は至極当然のことである。
従って、高度な演技を必要とする作品では声優の能力の限界が露呈してしまう。
例えば、劇場版新世紀エヴァンゲリオンの最後の最後はアスカのほんの一言で終わる。
しかし、この台詞は始めに用意してあったものとは違うものであったようだ。
本来は「あんたばか?」であったようだった。が、声優の力量不足のため、
結局「気持ち悪い。」へと変更を余儀なくされた。
完全に声優が役に負けてしまっていたのである。
結果、作品は中途半端に仕上がってしまい、損害を被るったのは我々聴衆者である。

 声優が新境地を求めるのもいい。しかし、声優も役者であるのだからまず足場を固め
てから進出するのが筋と考える。
我々は、健全な日本アニメ・マンガの質を守るため、ここに「声優はVisualに出るな!」を宣言する。

【資料1】
劇場版Evangelionのパンフレット(春、夏ともに)にて清川元夢氏はプロ意識なき声優への批判とも
解釈できる発言をしている。これは非常に勇気ある発言と言える。
(普通はこういう事は映画のパンフじゃ言わないであろう。)

【資料2】
実はEvangelionはヲタク(庵野氏)によるヲタク批判であったことはあまり報じられていない。
ヲタクの皆様はそのメッセージを受け取れなかったとのこと。
(レイとシンジが列車に乗っていて会話をするあのシーンが批判部分らしい。)

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