がんばれ!みやむー

23.当世アニタレ事情〜新展開を見せつつあるアニタレ達〜

みなさん、こんにちは。
6月から忙しくなってしまい全然更新できませんでした。
幕張でのNetworld+Interop2000を皮切りに7、8月は緊急オーダと夏祭の準備のため全くもって身動きがとれませんでした。
夏祭では私が参加しているサークルで 渡辺明夫さんに表紙を描いて頂いた本を出しましたが手際が悪くて直前までゴタゴタしていました。
で、9月になってやっと落ちついたと思ったら開発中だった小型LinuxサーバのCPUボードの本格的なロジックデバッグ、
同時に展示会(CEATEC)とイベント盛りだくさんになってしまってました。
おかげで、ここ数カ月は残業が久々に110時間を越えました。
(まあ夏祭に残業は直接関係ありませんけど)
この間にいくつか御意見をいただきました。ありがとうございます。
これに関して、今回ご回答すべきところでしたがボリュウムがあるので次回の番外編でご回答を申し上げたいと思います。
と、そうこうしているウチに秋の番組改編になってしまいました。
今秋もいくつか新番組があります。
秋の新番組については時間がありましたら、このコラムでも何か書きたいと思います。
そういえば「ラブひな」の作者の 日記に今秋の新番組について面白いことが書いてありましたね。
「来期のアニメ界も目が飛び出すほどの超絶話題作が無いようで盛り上がりに欠ける」
というものです。
この発言に関してはいろんな見方が出来ると思いますけど、
私、思うに「ラブひな」だって一部で人気なだけだったですね。そんなに凄い作品とは思いませんでした。
TCVV的な見地から評価すれば60点です。
つまりは、お約束のアニタレのオンパレードでシナリオだって至って普通。
しかも中途半端な時刻(22:28)に放映して最新情報によればクリスマス・スペシャルがなんと
12月25日の真っ昼間の12時からという全く以て製作サイドの意図がつかめないものです。
(まぁ特定の層をピンポイントでねらっているというのは、なんとなく分かるんですけどね)

あと「アニタレグランプリ」じゃなかった「声優グランプリ」がとうとう月刊化されましたね。
ろくに批評しないアニタレ雑誌の月刊化。ホントに由々しき事態です。
(まだ、Voice-animageの方が10倍マシですな)
声優ブームが陰りを見せている中、狂気の沙多としか思えません。
最後のうま味を吸い取る作戦に出てしまったのでしょうか。
月刊化によってアニメの品質低下を加速しないことを切に祈ります。

そんなこんなで前回から随分と時間が経過してしまったせいでアニタレ業界の変化に乗り遅れてしまいました。
ということで今回は私が多忙な時期に考えてきた最近のアニタレ事情について考察したいと思います。
(「仕事中にそんなこと考えているんか!」というツッコミはしないで)

今回は以下の点に注目して考察したいと思います。

1.歌手活動について再考
2.声の幅(ダイナミックレンジ)
3.「社会的ジレンマ」から解くアニタレの発生過程とその問題

1.歌手活動について再考


アニタレの歌手活動については、
「本業の演技力の向上をおろそかにして歌手活動とはいかがなものか」と云う疑問から再三に亘りこのコラムで考察して参りました。
そうですねぇ。アニタレの歌手活動は一言で言ってしまえば
「日曜大工」
というメタファがピッタリでしょう。
(実家の家業が建築業ですのでこんな表現をしていますが...)
「日曜大工」ってのは本業ではなく趣味の範囲です。従って当然収入もありません。
一方、本業の建築業の場合は施工主から賃金を頂くので責任があります。
従いまして、いい加減なことは出来ません。(そんなの当たり前)
アニタレが日曜大工だと表現したのは、本業ではなく趣味でやっているとしか思えないし、
何より責任の所在が分からないのです。
歌手一本でやっている人々は、その責任が即、明日の御飯につながります。
しかしアニタレの場合、アニメを利用した趣味の範囲としてやっている状況であり、
例え失敗しても御飯が食べられなくなることがないので、いい加減の好き放題にできるのです。

そうそう、歌手と言えば我らがmiyamuはとうとう歌手をお辞めになったようです。
(ビクターエンタテインメントのページから公式ページが削除されていました)
そろそろ弾が尽きてきたのでしょう。
JACに入って役者に専念するのかも知れませんね。
miyamu人気も陰りを見せてきたようです。
そういえば最近アニメにも御出演なさっていません。
散々とアニメをひっかき回したあげくコレですから、もう言葉がありません。
まぁヘタレな役を見なくて済むのでそれはそれでかまいませんけど、このまま行ったら
「がんばれ!みやむー」という看板も掛け替えないと行けないかも知れませんね。

で、「ポストmiyamu」と私が勝手に思っているのが、このコラムでも取り上げてきました「高橋美佳子」です。
ビクターエンタテインメントのページからmiyamuが消えたと思ったら入れ替わりに彼女の公式ページができあがっていました。
miyamuと同じく、なんだか色モノ路線で色々やっているようです。
(アニメイト全国行脚の旅等の企画でアニタレ活動を精力的に行っているようです)
miyamu同様、流石にあのふざけぶりは腹がたって来ます。
当然、歌も歌います。が、聞けたものではありません。(もはやお約束)
WOWOWで、夏から秋にかけて放映していた「ハンド・メイド・メイ」のEDなんか聞けたものではありませんでした。
アニメ版To HeaertのEDの川澄綾子以来、久々のぶっとびでした。

いやー。傍若無人ぶりでは椎名へきる、正統派アニタレまっしぐらで高橋美佳子てなところです。
アニタレの西の横綱が椎名へきるならば、東は高橋美佳子ですね。
(さしずめmiyamuは角番大関てな感じです。おいおい)
そうそう、椎名へきると言えば、今秋TBS系列で放映されてる「無敵王トライゼノン」に御出演されるようですね。
と、いってもまだ出ていません後半に出てくるようです。
それにしても、彼女「アーチスト宣言」までしたのにまだ声優みたいなことをやるつもりなんですね。
全く往生際が悪いっていったらありゃしない。
「早ようどっかいけー!」と本気で思ってしまいます。
彼女が出てくると、不愉快を通り越して不快な気分になりなります。
彼女の場合、何が本業なのか分かりません。それが誤解を産み
「声優、椎名へきる。武道館をいっぱいにする」とか「マルチな活躍」という良く分からない評価が上がるのです。
もはや彼女は既に主役が張れないでしょう。
(もし、張ったとしたらミスキャストもいいとこでしょうな)
しかし脇役でもどうかと思いますよ。高度な演技がない状況下では無理でしょう。
もしかしたら彼女は趣味で声優やっている「日曜声優」かも知れません。

あと、蛇足なんですけど知り合いの女性が
「へきるちゃんの歌ってうたいやすいよ。だって元がヘタだからね」
と云っていました。
いやー。こういう使い方も出来るんですね。
さすが「アーチスト宣言」をした人は違いますね。世の中の音痴な方の援軍になっているとは恐れ入りました。

2.声の幅


アニタレの声の幅の無さという問題も再認識しました。

しばらく前にCS系アニメ専門TVチャネルのキッズステーションで「紺碧の艦隊」が放映されていました。
設定の奇抜さ等なかなか面白い作品でした。
中でも良かったのが男性声優が揃って良い味を出していたことです。
しかも戦場ということもあって女性声優/アニタレはほとんど出てきません。
昨今のアニタレばかりの作品のなか見応えがありました。
その作品でナレータをしていた麦人氏はホントに凄いと思います。
彼は悪人声としては結構聞いていましたが、ナレータとしての声に驚きました。
コレクターユイでの犬養博士のような役回りから、淡々としたナレータ、そして悪人までこなせるその幅の広さにはただただ脱帽です。
しかし、喜んでも居られません.麦人氏のようなナレーションのできる男性声優が今の若手の中には見つからないことが不安な要素であります。

さて最近、妙に堀江由衣の出演数が多くなっていると思います。
どう見ても人気先行だと観測しています。
たぶん、今年前半の「ラブひな」効果とアイドル並のルックスが効いているのでしょう。
だってそうでしょう?
声の幅が全然無いんですもの。
声の幅(以前に「声のダイナミックレンジ」と表現)が無いというのは、端的に云ってしまえば声色が少ないということです。
堀江由衣にすれば、彼女は単一の声しか出ません。
成瀬川なる(ラブひな)〜ハルカ(鉄コミニケイション)〜マルチ(アニメ版ToHeart)といった感じで、その幅が極端に狭いのです。
演技でカバーしようとしていますが今一つです。
一方、広いというのは、矢島晶子氏のように、野原しんのすけ〜女子高生という風に全然違った声が出せるようなことです。
林原めぐみも狭いと思いますが演技力でカバーしてる感があります。
(ただ、単一の声になりがちであるのは事実です)

そう今のアニタレを一言述べるならば
イチゴ味のハミガキ」
でしょう。
何となくイチゴ風味というカワイイ声はすれど「味」というものは薄っぺら。
本物のイチゴなら「博多とよのか」や「女峰」等にはそれぞれの味ってのがあります。

その堀江由衣も出演して現在深夜テレ朝系で放映されている「Sci-Fi HARRY」。
人気だけのアニタレとベテラン声優が混合している奇異な作品です。
ある意味とても大変興味深いです。
私、彼女の役と声が全然合っていないと思います。本来もっとハマリ役の人がいるハズです。
あのキャステング、だいぶ問題だと思います。
人気先行では折角の作品がダメダメになってしまうのは火を見るより明らかです。
ついでに、彼女はテレ東系の深夜「アルジェントソーマ」にも出演中です。
ベテランの中で揉まれて行くのは結構だとは思います。が、試作品を売るようなことはして欲しくないと思います。

結局、声が1つだけ(特にカワイイ声とかカッコイイ声)というのは生き残れないと思います。
電子回路で例えて言えば、アナログ回路が電子回路の基本であるのはここ数年の高クロックCPUの開発で再認識されました。
演技力は回路で言えばアナログ回路技術だと思います。全ての基本です。
デジタル回路屋の仕事が無くなる中、高周波アナログ屋の仕事は一向に減りません。
アナログ屋はつぶしが効くのです。
一方、声優では「かわいい声」なんてのは現状でもはいてすてる程いますし、一番供給が多いところです。
よほど秀でた人間以外はさすがにヲタク様にも飽きが来るでしょう。
まぁアニタレの人生なんて、この先どうなろうと私の知ったことではありません。
が、「窮鼠、猫を噛む」ともいいます。
御飯が食べられなくなったアニタレの皆さんが、アニメに悪影響を及ぼさないとも限りませんからちょっと心配です。

3.「社会的ジレンマ」から解くアニタレの発生過程とその問題


「社会的ジレンマ」という言葉をご存知でしょうか?
例えば、環境保護の観点から車に乗るのをやめて電車通勤したとします。
全員がこれを行えば最良の結果、つまり地球環境の保護という結果をもたらします。
しかし、個人1人だけ電車通勤した場合、満員電車による苦痛等を被ることになり、
電車通勤による利益より苦痛という不利益の方が大きくなってしまいます。
ですが、全員が車による通勤をした場合には、利便性という利益より環境破壊という大きな不利益が生じます。
このような事象は人間が社会を形成する限りどこにでも存在するものです。
実はこの「社会的ジレンマ」がアニタレの発生過程とその問題を解くキーとなると考えています。

声優全員が一致して演技に励み良い作品にしてゆこうとすれば最良の結果がでます。
が、一人が歌手活動で甘い汁を吸うことを始め、個人に「何らかの利益」が出たとします。
すると、とたんに周囲が真似をはじめます。
ここが声優がアニタレとなる瞬間です。
更に、これに群がる数々の利権が混じります。
そしてアニタレが大多数になった時、少人数の声優が奮闘して「良い作品をつくろう!」と言ったところで、
もはやそれは声優個人にとっては不利益なだけです。
大多数のアニタレが歌手活動やらコンサートをしてヲタク受けする作品ばかりになったりして
演技力がなくても作品に主役級で出演したりすれば、真面目に声優をやっている人には全くうま味がありません。
しかし、これを続けてしまったらアニメ/声優の地位低下や地盤沈下を起こし最終的には全体の不利益となるのです。
ここでのポイントは全員一致団結すれば、最良の結果が出るところが、
「私だけなら」とか「私一人ががんばっても」ということがジレンマ状態を引きおこし最悪の結果を招いてしまうということです。
この一連の過程こそがアニタレがアニメを壊して行く過程だと思います。
しかも厄介なことにこのジレンマは容易に解決することは出来なさそうです。

で、この副産物が「アニタレファン」だと思います。
確かにアニタレに入れ込むのは気持ちが良いものだと思います。
難しいことを考えないで当該タレントをアイドル感覚で共にいれば至極の境地でしょう。
しかし、そんな気持ちがアニタレの温床を作り、ますますジレンマを加速させるのです。
ですからアニタレはアニメとファンを食い物にしていると私は確信します。

以前からアニタレ、メディア、ファンの「三ツ巴構造」は問題として指摘してきました。
ここに「社会的ジレンマ」という見方を導入することでより鮮明に問題点が浮かび上がって来たと思います。
今後は、これをキーにより深く考察してゆきたいと思います。
つーか、社会的ジレンマという題目で本編を1つ書きたいですね。
ことにゲーム理論からアニタレを考察するのは面白いと思っています。

では今回最後に情報を1つ。
マネックス証券から「ときメモファンド」という投資信託が発売されます。
これは、これから発売される「ときメモ3」及び「新ときメモ」の売上に応じて分配を受けるという新しいファンドのようです。
(詳しい資料が用意されているようですので興味のある方はご覧下さい)

以前、「ヲタク経済論」という題名にてこのコラムでもある提案をしたことがありましたが、
この「ときメモファンド」はその変形バージョンと言えます。
あの時は国が税金でアニメ製作会社に援助するというあまり現実的でなかった話ですが、
今回の話は集金システムに投資信託を使います。いや考えたものです。
これをさらに応用すれば、例えば「コア30インデクス」のように成長企業の株式を集めた商品みたく良い作品を作る製作会社の株式(や何らかの債権)を集めた
「アニメ30インデクス」という商品を開発すれば、ヲタク経済が加速すると思います。

ということで、次回の本編は、この辺りを中心とした「ヲタク経済論II」を考えております。
(あーあ。予告なんてして、また自分の首を絞めてるよ)

では、


今回の言い訳


すんません。
言い訳は冒頭の通りですんで、ここではもう云いません。
今回も遅れた理由はとりもなおさず私が遅筆なことなだけなんです。
そうそう、INETで「声優ファン度チェック」ってのがありました。
私やってみたんですけど、意外にもFランクで「普通」と判断されました。
確かに特定のファンでもなければ何でもないんで当然の結果といえば、それまでなんですけどね。
私の知り合いはCランクでした。彼は相当の声優ファンなのにCだったんです。
ということはAランクの人ってのは色んな意味で恐しいですね。
それと今回後半で取りあげた社会的ジレンマについては
「社会的ジレンマ 山岸俊男 PHP新書」という本が参考になりました。
とても分かりやすい解説書です。一読をお勧めします。

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